いびき・睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)とは、睡眠中に呼吸が止まったり、日中の眠気や倦怠感を伴ったりする病気のことです。
「1晩(7時間)の睡眠中に10秒以上の無呼吸が30回以上、または、睡眠1時間あたりの無呼吸・低呼吸が5回以上おこる状態」とされています。
その結果、眠っているつもりでも体にとっては十分な睡眠が得られておらず、起床時の頭痛や日中の居眠りが多くなったりします。いびきをかく人に多くみられます。また、高血圧や心臓病、糖尿病などの合併症および動脈硬化とも関連があると言われています。
原因について
構造的原因
- 首周りの脂肪付着
- 扁桃肥大
- 小顎
- 舌の付け根や軟口蓋が気道へ落下している
- 舌が大きい
- 鼻に構造的な問題がある(鼻内部の骨の彎曲など)
機能的原因
- 加齢による、気道周囲の筋力低下
- 疲労・飲酒・睡眠薬による筋緊張感の低下
主な症状
- いびき
- 夜間の無呼吸
- 日中傾眠・熟睡感がない
- 集中力の低下
- 夜間のトイレ回数の増加
検査について
当院では上記の簡易検査機器の貸出しをおこなっています。睡眠中の呼吸状態について判定する検査です。ご自宅で検査を行います。痛みを伴うものではありません。健康保険が適応され、3割負担の方で約3,000円です。簡易検査の結果でさらに詳しい検査が必要な場合は、専門病院を紹介させていただきます。
治療について
CPAP療法
治療法として広く普及しており中等症以上の無呼吸の場合に保険適用となっています。健康保険でCPAP治療を行うには、毎月1回当院に受診していただきます。3割負担の方の場合、負担額は毎月5,000円前後です。
当院は各メーカーと連携しており、他院からの転院も可能です。
口腔内装置による治療
睡眠中、専用のマウスピースをつける治療法です。無呼吸の程度が軽い方やいびき症の方に使用します。下顎を上顎よりも少し前に出るように固定し、気道を広く確保します。専門医の紹介状がある場合には保険適用となっています。当院にて専門の歯科医院宛ての紹介状を作成します。専門の歯科医院を受診していただき、ご自身に合ったマウスピースを作成していただきます。
手術による治療
扁桃肥大がある場合、肥大した扁桃を摘出したり、のどちんこを切除することで改善がみられる場合があります。
生活習慣の改善
肥満の方は運動や食事療法を行い、減量をおこないます。