先日のことです。
4日前にダイビングをして以降、「難聴・耳閉感」があるとのことで受診された患者さんがおられました。風邪気味で鼻汁・咳・痰が出ていたようです。
耳を診てみると↓
中耳腔内(=鼓膜の奥にある空洞)に体液が浸み出て赤くなっています(赤の矢印部分)
これは「潜水性中耳炎」です。
ここで潜水性中耳炎について述べたいと思います。
原因:ダイビングなどをした時の水圧が原因で耳抜きがうまく出来ない場合に起こります。
症状:耳痛・耳閉感・難聴 など
治療:通常の中耳炎に対する治療と同じです。細菌感染を伴う場合は抗生剤、抗ヒスタミン薬、消炎酵素剤などを使用します。風邪や鼻炎がある人はその治療ももちろん重要です。痛みなどの急性症状は数日以内に改善しますが、耳閉感、難聴は改善するまでに数週間かかることがあります。薬による保存的治療で症状が改善しない時や、中耳に貯留液や膿を認める時には、鼓膜切開を行います。
予防法:ダイビングの耳抜き法には、
- バルサルバ法
- 嚥下(えんげ)法
- トゥインビー法
- フレンツェル法
など様々な方法があります
感冒、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などがあると非常に起こりやすくなります。事前にこれらの治療をすることや体調を整えることが重要です。
ダイビング後もしばらく耳症状が続いておられる方は耳鼻咽喉科受診をお勧めいたします。