その他の病気
粉瘤(ふんりゅう)
症状
皮膚の盛り上がり
拡大図↓
粉瘤の見た目には以下のような特徴があります。
- 皮膚がドーム状に盛り上がっている
- 大きさは数mmから10cm以上までさまざま
- 真ん中に小さな黒い点(へそ)が見える
- 押すと白か黄色のドロドロした臭い膿が出る
粉瘤ができる場所
粉瘤は以下のように体のどこでもできるものです。
- 頭
- 顔面
- 耳たぶ・耳の裏側
- 背中
- おしり
- 胸
- お腹
- 手足
原因
粉瘤とは、正常な皮膚の中に嚢胞(のうほう)という袋ができ、袋の中に角質や皮脂などの老廃物がたまったもののことです。別名として、類表皮嚢腫(るいひょうひのうしゅ)、表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)、アテローム、アテローマとも呼ばれています。
アテロームという言葉は、動脈硬化で血管の壁にたまっているコレステロール(粥腫)のことも指します。しかし粉瘤と動脈硬化は関係ありません。たまたま同じ名前で呼ばれているだけです。
粉瘤を観察すると、嚢胞の内側につながる黒い穴が開いています。皮膚開口部と言うのですが、「へそ」とも呼ばれます。
粉瘤は治療が必要?
粉瘤は放置しても問題はありません。ただし次のような理由があれば治療が必要です。
- 美容(見た目)的に気になって困る
- ジャマになる
- ばい菌が入って、腫れる・膿が出る
粉瘤が出来る原因は分かっていません。
粉瘤は潰しても治りません。潰しても中身の袋(嚢胞)は残っているためです。
粉瘤を潰してはいけません。潰すと、ばい菌が入り腫れが悪化する可能性があります。
根本的治療
治療としては抗生剤を使ったり、(効果は一時的ですが)排膿させる方法もありますが、根本的治療は手術になります。
手術は以下の要領でおこないます。
手術が必要な場合は、総合病院を紹介させていただきます。
首の腫れ
リンパ節の炎症や腫瘍、甲状腺や唾液腺(耳下腺、顎下腺)の腫瘍があります。血液検査や画像検査を行い、内服治療や手術が必要になる場合もあります。
流行性耳下腺炎
原因
ムンプスウィルスによる感染
症状
ウィルス感染後2〜3週の潜伏期ののち、片側または両側の耳下腺(耳の下にあり、唾液をつくる部分)の痛みと腫れが生じ、発熱、頭痛、開口障害も伴うことがあります。顎下腺(顎の下にあり、唾液をつくる部分)の腫れも、しばしば伴います。腫れは3日目がピークで、7〜10日で消失します。一般に、小児に比べ、成人の方が症状が強く出ることが多いです。
治療
解熱鎮痛剤等の対処療法のみで特効薬はありません。
注意点
学校保健法では、耳下腺の腫れが消失するまで出席停止と定められています。
顔面神経麻痺
原因
顔面神経麻痺の原因は脳梗塞や、脳内出血、脳腫瘍、脳炎、耳の手術、ウイルス、栄養血管障害、寒冷刺激、免疫異常、外傷など様々ですが、原因が定かでない特発性のもの(通称「ベル麻痺」)がもっとも多いです。頭蓋内病変を疑う場合は、MRIなどを受けてもらうこともあります。
症状
まぶたが閉じにくい、口が動きにくく口から食事がこぼれる、顔が引きつるようだといった症状で気が付くことが多いです。
治療
麻痺の程度により治療方法が異なります。軽度の人は内服治療をおこないます。中程度〜重度の人は7〜10日間の点滴治療をしていただきます。治療が遅れると回復しにくいと言われています。早期発見と早期治療が大切です。顔の異変に気づいたら、すぐ耳鼻咽喉科を受診しましょう。
丹毒(たんどく)
丹毒とは皮膚の真皮(=浅い部分)の化膿性炎症です。
原因
小さな傷口、虫刺され、手術部位など皮膚のバリア機能が低下した箇所から A群溶連菌や黄色ブドウ球菌が体内に侵入することで発症します。
症状
顔面や手足の皮膚が急激に赤くなり膨張します。境界明瞭で圧痛を伴い、熱感があります。皮膚病変は、赤みが強く浮腫状です。
診断
血液検査で炎症性変化を確認する場合もありますが、皮膚所見が非常に特徴的であることから、典型例では皮膚症状のみから丹毒と診断可能です。
治療
抗生剤を使用します。軽症例は内服でOKですが、重症例になると点滴をおこないます。