2018年1月15日
以前に当ブログで 「病気の原因は複数?」という内容でお伝えしたことがありました。
今回も同じことがありましたので書かせていただきます。
「嚥下時の痛み」で受診された患者さんです。数日前にカワハギを食べたそうです。
ノドを診てみると↓
口蓋垂(のどちんこ)に傷がありました。
これが痛みの原因と思われましたが、念のため左の扁桃をピンセットで探ってみるとひっかかる物が触れました(下図の黄色)。
表面に食物残さ(たべかす)が付着しており、魚骨とは断定出来ませんでしたが摘出してみると↓
ありました
見えていた部分はごく一部で、(上図イラストの 細い黄線のように)大部分は迷入していたようです。
患者さん曰く、魚骨を取りたくて「ご飯を丸呑み」していたとのこと。
摘出後に痛みが無くなったのを確認し帰宅していただきました。
本日の教訓
『病気の原因は一つだけとは限らない』
2018年1月11日
先日のことです。
以前から耳に「できもの」があり気になるとのことで当院を受診された患者さんがおられました。
拡大してみると↓
小さいですがこれは「粉瘤(ふんりゅう)」と言われる皮下のできものです。別名:アテローム とも言われています。
粉瘤について述べてみたいと思います。
粉瘤とは、正常な皮膚の中に嚢胞(のうほう)という袋ができ、袋の中に角質や皮脂などの老廃物がたまったもののことです。別名として、類表皮嚢腫(るいひょうひのうしゅ)、表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)、アテローム、アテローマとも呼ばれています。
アテロームという言葉は、動脈硬化で血管の壁にたまっているコレステロール(粥腫)のことも指します。しかし粉瘤と動脈硬化は関係ありません。たまたま同じ名前で呼ばれているだけです。
粉瘤を観察すると、嚢胞の内側につながる黒い穴が開いています。皮膚開口部と言うのですが、「へそ」とも呼ばれます。
粉瘤の見た目には以下のような特徴があります。
- 皮膚がドーム状に盛り上がっている
- 大きさは数mmから10cm以上までさまざま
- 真ん中に小さな黒い点(へそ)が見える
- 押すと白か黄色のドロドロした臭い膿が出る
粉瘤ができる場所は?
粉瘤は以下のように体のどこでもできるものです。
- 頭
- 顔面
- 耳たぶ・耳の裏側
- 背中
- おしり
- 胸
- お腹
- 手足
粉瘤は治療が必要?
粉瘤は放置しても問題はありません。ただし次のような理由があれば治療が必要です。
- 美容(見た目)的に気になって困る
- ジャマになる
- ばい菌が入って、腫れる・膿が出る
粉瘤が出来る原因は分かっていません。
粉瘤は潰しても治りません。潰しても中身の袋(嚢胞)は残っているためです。
粉瘤を潰してはいけません。潰すと、ばい菌が入り腫れが悪化する可能性があります。
治療としては抗生剤を使ったり、(効果は一時的ですが)排膿させる方法もありますが、根本的治療は手術になります。
手術は以下の要領でおこないます。
手術が必要な場合は、(当院ではなく)総合病院を紹介させていただきます。
今回の患者の場合は非常に小さく、炎症も繰り返していないので様子をみていただくことになりました。
《1/12AM休診》
1/12(金)AMはスタッフ研修のため臨時休診とさせていただきます。
2018年1月9日
本日(1/9)より新学期が始まり、インフルエンザのさらなる流行が予想されます。
インフルエンザ診断のポイントは早期発見・早期治療です。
診断には検査キットを使うわけですが、このキットの精度はおおむね70%と言われています。この精度を少しでも上げるために、なるべく良い検体を痛み少なく採取することが重要と考えています。
ここで、当院ならではの「こだわり」を紹介させていただきます。
-
検体採取の器具(鼻の中に入れるスワブと呼ばれる綿棒)
綿棒は検査キットに付属されていますが当院ではこれは使っていません。「優れていると思われる綿棒」を別途 購入して使用しています。綿棒を色々と検討した結果、(高価ではありますが)イタリア製のこの綿棒が一番優れていると思われました。
理由は:①長い棒本体が柔らかく・しなやか
②先端部分が(通常の硬い綿ではなく)ブラシ状となっておりで検体をしっかり吸着
通常の硬い綿↓
当院採用のブラシ状の綿棒↓
-
検体採取の方法
まずは鼻の中を観察し、狭い部位を避けて綿棒を入れていきます。
下の図の左側の様に鼻中隔弯曲があると綿棒が入らず痛みを伴う、そこは避けて綿棒を進めていきます。
その他には(当然ですが)詳細な問診等、診断率を上げるために日々努力をしております。
《1/12AM休診》
1/12(金)AMはスタッフ研修のため臨時休診とさせていただきます。
2018年1月6日
先日のことです。
「耳にビーズが入った」とのことで小学生の患者さんが受診されました。
3日前にお母さんが耳掃除していて気付いたようです。
耳の内を診てみると↓
耳垢で分かりにくいのですが、何か入っています。
さらに近づいてみると↓
ありました ピンク色のビーズです。
器具を使用し摘出しました。
取れた物はこれです↓
男の子 二人 兄弟👬のため、ビーズがあること自体珍しいと思い
Dr:「もともと自宅にビーズありました?」
お兄ちゃん:「冬休み前に友達からビーズもらったよ。でも無くなっちゃった。」
Dr:「うーん、なるほど」
どういう経緯か、耳に入ってしまったようです。
無事に取れて安心しました。
2018年1月5日
年末年始 皆さんはどこかに行かれましたでしょうか?
当院周辺では12月に中学校・小学校・幼稚園でB型インフルエンザが流行しました。全国的に見ると、B型ではなくA型の方が流行している地域もあるようです。
先日 こんなものを見つけました↓
「進撃の咳エチケット」
厚生労働省が作成した啓発ポスターです。
内容は以下の様です。
咳エチケット違反してませんか?
-
せきやくしゃみを手でおさえる→×
せきやくしゃみを手でおさえると、その手で触ったドアノブなど周囲のものにウイルスが付着します。
ドアノブなどを介して他の人に病気をうつす可能性があります
3つの咳エチケット
電車や職場、学校など人が集まるところでやりましょう。
マスクをつけるときは取扱説明書をよく読み、正しくつけましょう
2.ティッシュ・ハンカチなどで口や鼻を覆う。
口と鼻を覆ったティッシュは、すぐにゴミ箱に捨てましょう。
3.上着の内側や袖(そで)で覆う。
※ また 、 手 を 洗うこと でも病原体が広がらないようにすることができます 。
いかがでしたでしょうか?
漫画・イラストだと分かりやすいですね。
「既にインフルエンザと診断されている方がマスクをすることで、さらなる拡大を防ぐことは可能」
上記については非常に意義があると感じています。
当院でも
・インフルと診断された患者さんのマスク着用
・クリニック内の空気喚起
・ドアノブの清掃
は徹底しております。
2018年1月1日
皆さん 新年あけましておめでとうございます 🎍
元旦ということで、初詣に行ってきました ⛩
元旦でもあり、凄い人でした。
(戌年とは関係ありませんが) 白馬にもお目にかかることが出来ました 🐎
お祈りをした後は恒例の
です。
結果は
残念ながら末吉
おみくじは残念な結果でしたが、今年も診療 頑張っていきたいと思います。
皆さん 今年も「いのうえ耳鼻咽喉科」をよろしくお願いいたします
1/5(金)より診療開始となります。
2017年12月31日
先日のことです。
「朝からの両鼻出血」を主訴に当院受診された患者さんがおられました。
問診票によると
5日前から出血あり今回で3回目、近医でもらった止血剤を飲んでも止まらず。今朝はすごい勢いで出血し「原因を知りたい」「何とか止血して欲しい」とのことでした。
患者さんは「両鼻にティッシュ詰めた」状態で、苦しくて困っておられる様子
ここでまずは、「鼻出血」について述べたいと思います。
鼻血の原因の大半は、鼻中隔(左右の鼻の穴を隔てている、真ん中のかたい部分)の前方付近にある「キーゼルバッハ部位」からの出血です。
「キーゼルバッハ部位」は毛細血管が集中しており、粘膜も薄いため、出血しやすいです。上の図のように太い血管で出血してれば出血部位同定となります。
さて今回の患者さんの話に戻り
まずは
①両鼻のティッシュを除去
②両鼻腔から(その後方である)ノドにかけて、多量の凝血塊あり除去
これで患者さんは落ち着いた感じになりました(凝血塊で苦しかったようです)。
今回のポイントとしては
・出血部位を同定し、確実に止血処置
・両側出血はごく稀のため、最初に一方から出血し、反対側は鼻腔後方から回り込んだと考える
Dr:「左右共に出血とのことですが、最初に出血したのはどちらでしょうか?」
患者さん:「右です」
そこで右鼻内を重点的に観察します。
凝血塊を除去しましたが、現在は止血しており明らかな出血源は不明の状態でした↓
しかし、ここで終わってはいけません今は止まっていても今後出血する可能性が高いからです。
そこでどうするかというと
「出血しやすい部位を綿棒でこすってみる」のです(患者さんは少し大変かもしれませんが)。
綿棒でこすってみると↓
出血部位が同定出来ました
麻酔後に電気凝固し帰宅していただきました(鼻出血の患者さん全員に綿棒・電気凝固のではありませんのでご安心を)。
2017年12月28日
今日、28日(木)AMで年内の診療を終了しました。
今週は特に忙しく、私もスタッフもバタバタでした。
診察終了後に、頑張っていただいたスタッフさんへ甘い物の差し入れをしました。
多くの方の支援や、多くの患者様のご声援に支えられ1年を終えられたことに感謝申し上げます。
なお、来年は1月5日(金)から通常通り診療いたします。
2017年12月27日
12/23付けブログで「ざんねんな いきもの事典」をキッズルーム本棚に追加したことをお知らせいたしましたが、
今度は、「泣ける いきもの図鑑」を追加しました。
今回も泣ける(笑える!?)エピソードが多数紹介されています。
興味のある方は是非読んでみて下さい。
《年末年始のお知らせ》
12/28(木)PM~1/4(木)まで休診となります。
尚、12/28は木曜で本来は休診日ですが、AMのみ診察をおこないます。
2017年12月26日
当院は、感染症が疑われる患者さん専用の「感染症予防室」を完備しております。
これまで、本と雑誌しか置いていなかったのですが、新たに動画用のモニターを設置しました。
コンテンツは色々とあるのですが、まずは「ドラえもん」を流してみました。
《年末年始のお知らせ》
12/28(木)PM~1/4(木)まで休診となります。
尚、12/28は木曜で本来は休診日ですが、AMのみ診察をおこないます。