先日のことですが、前日の夜に生じた「耳の痛み」で受診された子供さんがおられました。
耳を診てみると

鼓膜表面に大きな水疱が出来ていました。急性中耳炎というより、(鼓膜自体が炎症を起こす)鼓膜炎の状態です。
翌日はさらに水疱が拡大し↓
すごく痛そうな状態です。
そこから2日後の所見です↓

水疱が破れて「かさぶた」になっていました。
さらに2週間後の所見です↓

この「かさぶた」はプラスチックのように硬く、剥がれるまでかなり時間がかかります。
剥がれたものを実際に手に取って割ってみると実際に「パリッ」と割れるのです。
取れたものを患者さんの家族にお見せすることもありますが、皆さんびっくりされています。人のカラダってすごいです。
「耳に水が入った感じ」とのことで二人の患者さんが受診されました。
①一人目の患者さんの耳の中を診てみますと
髪の毛が1本入り込んでいました。

髪の先端が鼓膜に触れており、これが「耳に水が入った感じ」の原因と思われました。
除去したところ、「耳に水が入った感じ」は消失しました。
取れた髪の毛はこれです↓

②二人目の患者さんの耳の中を診てみますと
耳垢(=耳あか)が鼓膜に触れている状態でした↓

耳垢除去したところ、「耳に水が入った感じ」は消失しました↓

人の耳は敏感ですね。
先日の事ですが、「声がれ」を主訴に受診された患者さんがおられました。
職業柄 声を良く使うせいか、かなりひどい「声がれ」の状態でした。
まずは正常な声帯所見です↓

今回の患者さんの声帯です↓
矢印部分に「白い出っ張り」を認めます。
正式には「粘膜遊離縁」呼ばれる部分ですが、「粘膜遊離縁」は「発声」において一番重要な部分で ここを振動させて声を出すのです(←リンク先の動画参照)。
声の使い過ぎ→粘膜遊離縁に「炎症による白い出っ張り」が出来たようです。
「声がれ」で困っておられる方は耳鼻咽喉科でノドのチェックをお勧めいたします。