岩倉市の「いのうえ耳鼻咽喉科」です。
先日のことです。
「耳垢が溜まった感じがする」とのことで当院受診された患者さんがおられました。
耳を診てみると↓
確かに耳垢が溜まっていました。
これを除去したところ↓
鼓膜の外側の皮膚部分に大きな凹みが
外耳道の骨が破壊されて、皮膚欠損・骨が露出した状態です 🙄
病名は「外耳道真珠腫(がいじどうしんじゅしゅ)」と言います。
ここで外耳道真珠腫について述べたいと思います。
原因
古くなった皮膚の塊(角化上皮)が、外耳道に異常に堆積。そこに炎症が起こることで病変部分に皮膚上皮細胞が侵入して、骨が露出した状態となります。外耳道に白い物質が充満真珠のように見えるので真珠腫と言います。
症状
耳だれ、慢性の鈍い耳痛みなどです。稀ではありますが、骨の破壊が進行した場合 難聴、開口障害、顔面神経麻痺などを生じることもあります。
診断
外耳道に多量の角化物の堆積を認める。また、それらを除去した際に骨欠損・骨破壊を認めた場合に外耳道真珠腫と診断されます。CTで病変の進展を把握することもあります。
治療
堆積・増殖した真珠腫を定期的に除去することで病変の進行・拡大を防ぎます。 放置すると外耳道の骨の破壊が進行するため、指示されたとおりに定期受診→除去することが必要です。
通常は、「骨を破壊する病気」と言えば悪性ですが、良性でも骨破壊する病気があるのです