先日のことです。
「口唇が白くなっている」とのことで受診された子供さんがおられました。
口唇の内側を診てみると↓
口唇の粘膜が「ぷくっ」と膨れていました。
これは「下口唇のう胞」と言われる病気です。
これは中に唾液がたまり、風船のように膨らむことによって生じたもので、「下口唇のう胞」といいます。皮下組織に汗腺があって汗が分泌されるように、唇の粘膜下には多数の小唾液腺(=唾液を作る組織)があり、唾液を分泌しています。したがって、唇を噛んでしまって小唾液腺が傷つくと、唾液が正常に分泌されず粘膜下で溜まってしまうことがあり、下口唇のう胞が生じるのです。
原因:口唇をかんだ場合に出来やすいという説もありますが、はっきりした原因は分かっていません。
症状:唇が少し腫れているような感じがするだけで多くの場合、痛みはありません。
治療:稀ではありますが自然に治ることもある為、しばらくは様子をみて治りが悪いようであれば外科的切除がベターです。その場合は総合病院の耳鼻咽喉科 or 口腔外科へ紹介となります。手術としては外来で局所麻酔後にメスを用いて嚢胞だけでなく、原因となった小唾液腺も切除します。切除後は糸で縫合します。
唇に上の写真の様なものが出来ておられる方は耳鼻咽喉科を受診することお勧めいたします。