クリニックブログ

外傷性鼓膜穿孔

2018年2月12日

先日のことですが、外傷による鼓膜穿孔の患者さんが受診されました。
柔道で抑え込まれた際に「右耳閉感」が出現し当院を受診されました。

鼓膜を診てみると
小さな穿孔(=穴)を認めました↓

穿孔

 

 

その1週間後の所見です↓
穿孔閉鎖穿孔部分に痂皮(=かさぶた)が付着していますが、穿孔は閉鎖し気になっていた耳閉感も消失していました。

 

ここで「外傷性鼓膜穿孔」について述べたいと思います。

 

 

外傷性鼓膜穿孔

 

【原因】耳掻き・綿棒によるもの直達性のものが一番多く、次に平手打ち・殴打・スポーツによる介達性のものが続きます。
【症状】激しい耳痛、耳出血、難聴、耳閉感、耳鳴 など
【治療】鼓膜は再生能力が高い組織で、小さな穴であれば1週間~1ヵ月程度で自然に塞がります。耳を乾燥状態に保つこと・耳の中を清潔にすることが大切です。プールを避け、お風呂では耳に水を入れないように注意します。3ヵ月以上経っても閉鎖しないであれば手術をおこないます。

まとめ 外傷性鼓膜穿孔には、様々な原因と穿孔の程度があります。適切な治療、乾燥・清潔を保つことで治癒する症例が多いため、それほど心配する必要はありません。ただし、外傷性鼓膜穿孔が疑われる場合は、できるだけ早期に耳鼻咽喉科専門医を受診し、適切な処置と治療を受けることをお勧めします。