鼻からの出血の原因で一番多いのは、鼻の入り口付近1〜2㎝の「キーゼルバッハ部位」からの出血です。キーゼルバッハ部位は毛細血管が集中しており、粘膜も薄いため、出血しやすいです。
子どもさんが鼻出血で受診された場合 まずは鼻内を観察してみます。
通常ですと、鼻粘膜はこのようにやや赤みを帯びた色調をしています↑
ところが、アレルギー性鼻炎があると
このように鼻粘膜が蒼白で浮腫状に見えます↑
鼻内所見・問診で、アレルギー性鼻炎の有無を判断します。
アレルギー性鼻炎があると、「鼻が気になり指で触る→出血→かさぶた付着→触って剥がれる」といったサイクルを繰り返す場合が多いのです。そういった場合には抗アレルギー薬を処方します。
また、症例としては少ないのですが 頻回・多量出血の場合は太めの血管が原因のこともあります↓
どの部位・血管が原因かを突き止めるには、実際に出血している状態を確認するのがベストです(実際には難しいですが)。
太い血管が原因の場合には、(麻酔後に)電気凝固をおこなうと止血しやすくなります。
実際には、子どもさんの鼻出血ではアレルギー性鼻炎が原因で少量出血を繰り返しているケースが大半です。
出血を繰り返す子どもさんは、一度 鼻内チェックをお勧めいたします。