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RSウイルス

カテゴリ:  2018年9月5日

岩倉市 いのうえ耳鼻咽喉科です。

 

みなさん「RSウイルス」という名のウイルスをご存じでしょうか?

 

「RSウイルス」は冬になると流行する風邪のウイルスの一種です。9月頃から流行し、初春まで続くとされてきましたが、近年では夏季より流行が始まるようになってきています。
非常に感染力が強く、幼稚園や保育園などの施設内感染に注意が必要です。母親からの抗体で防ぐことができず、何度も感染と発病を繰り返しますが、生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の乳幼児が感染すると言われています。

 

症状

ウイルスに感染してから症状が出現するまでの潜伏期間は約4日間です。感染の初期には、鼻水・ノドの痛みがあり、その1〜3日後に咳が出るようになります(乳幼児の患者さんも出ます)。成人や学童期の子どもであれば、これらの症状は数日の経過で「風邪」として治癒します。多くは軽症で済みますが、乳幼児の患者さんなどで咳がひどくなる、「ゼーゼー、ヒューヒュー」という喘鳴を伴った呼吸困難が出るなどの症状が出現した場合は、細気管支炎、肺炎へと進展することがあり注意が必要です。
 

その他の症状として、中耳炎の合併率が高いのが特徴です。耳の痛みで不機嫌になったり、中耳炎が原因で熱が長引くこともあります。

 

治療

RSウイルスには有効な抗ウイルス剤がなく、対症治療(=症状をやわらげる治療)が中心となります。重症化した場合には、酸素投与、補液(点滴)、呼吸管理が行われます。

また、このウイルスのやっかいな点としては、細気管支という細い気管支の炎症が強くなり、喘息と同じような病状をひきおこしてしまうのです。 
さらに、治った後も数年に渡り喘鳴(=ぜいぜい、ヒューヒューという呼吸音)を繰り返しやすくなる後遺症が出てしまうと言われています。したがって、乳児期に感染した場合は、その後2~3年は注意が必要です。

 

診断

RSウイルスの診断では、鼻咽頭拭い液(びいんとうぬぐいえき)を利用した迅速キットで検査を行います。
IMG_1960[1]

 

 

9/5(水)だけで当院で4名の子どもさんがRS陽性と診断されました。

全員にがあり、熱の経過は1~3日で、兄弟間の感染、中耳炎の合併率が高かったです。

 

予防

RSウイルスは、RSウイルスに感染している人の咳やくしゃみの際に飛び散るしぶきを浴びて吸い込むことで感染します。

 

感染力が強いウイルスですので、幼稚園・保育園などの流行状況に注意してください。

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